中秋望月 ~月と科学と金木犀~ by Takashi Koide

今夜は中秋の名月に当たる日ですね。

 残念ながら台風は過ぎたものの雲に覆われた空なので、今夜は「中秋(に)月(を)望(む)」とはなりそうにありません。

 わが家の庭では、中秋の名月のこの時期、ちょうど金木犀が咲き、甘い香りで庭がつつまれます。 

日本ではお月見には月見団子に酒ですが、中国では、月餅を食べつつ、桂花陳酒(けいふぁちんしゅ:白ワインに金木犀の花を漬け込んだ酒)を飲むそうですね。

 そういうこともあってか、金木犀の香りは月の香りとも言われているようです。






話は変わって 


1969年7月20日 人類で初めてニール・アームストロング氏が月に降り立った日、科学の力が初めて人を月に運びました。どんなにこがれても決して手を触れることができなかった月に人間が科学の力をもって降り立ったのです。

人々は熱狂し科学の力がどんな不可能も可能にし、希望あふれる未来もたらしてくれると信じていました。 あれから43年後の今年、未踏の地に降り立った宇宙飛行士はその栄光につつまれた天寿を全うしました。

 一方日本では、一昨年、未曾有の大地震による災害と、それによって引き起こされた科学の象徴というべき存在の原子力発電所がメルトダウンを起こすという事故を経験しました。 

事故の対応で迷走を繰り返す政治と、「想定外」の事故に責任逃ればかりの原子力学者に対する失望は、科学そのものへの失望と不信感をもたらし、我々は43年前のあの熱狂の日のようには科学がもたらしてくれる未来(ちから)を信じることができなくなりました。 

しかしそうはいいつつも、わたしたちは程度の差こそあれ、かつて科学を手に入れていなかったときのように、夜空の月を読み、日にちや時刻を知る生活にもどることは出来ません。

行き過ぎた消費社会に対する反省を踏まえつつも、豊かでよりよい暮らしを求めることを止めることはないでしょう。

 今、自分が小さな子供を持つ父親なら、今日の月見の日、子どもたちとの話のなかで、月を見て美しいと思う気持ちと同じぐらい、どうやって人類は月におりたったのか、NASAやソ連の宇宙計画はいかにして偉業を成し遂げたのか、宇宙には未だ知らない謎がどれほどあるのか?

なんていうふううに、子供たちが科学的な好奇心を持てるようなそんな日として捉えるのが大切なんじゃないかなんてて思います。 


 ということで、月に想いを馳せつつ 桂花陳酒でも飲みますか。

キノコの話 南仏プロヴァンスの12か月(10月)より by Takashi Koide

もう10月ですね。
暑かった夏もいつのまにか過ぎて、すっかり秋めいてきました。

秋が近づくと、ふと読みたくなる本があります。
それはこの本。都会を離れ、南仏プロヴァンスに移住した夫婦が、おいしいものを年から年中食べては紹介するというけしからん本です。



 ~南仏プロヴァンスの12か月 ピーター・メイル著 10月より~ 
朝食が終わりかける頃、誰かが窓を叩いた。見ると、ムッシュー・サンチェスの日焼けした丸顔がこっちを覗いていた。彼は、靴が汚れているから、と言ってどうしても中へ入ろうとしなかった、聞けば六時から森へ来ていたという。 
 おみやげがある、 
サンチェス氏は背中に隠していた古いチェックのソフト帽を差し出した。
山ほどあるキノコだった。 
彼はオイル、バター、ガーリック、微塵切りのパセリなどを使ったお気に入りのキノコ料理についてひとくさり蘊蓄を傾け、毒キノコに中(あ)たって死んだ三人の男の恐ろしい話を聞かせた。 
夕食のテーブルに座ったまま白目を向いて死んでいるのを近所の人が発見した、というくだりでムッシュー・サンチェスはキノコの毒がまわって体が硬直し、目の玉がでんぐりがえるところを迫真の演技で再現してみせた。
いや、心配無用。 
この帽子の中のキノコは絶対に大丈夫。その点は自分の首にかけて保証する、と彼は言った。 
ボナ・ペティ!

photo credit: nironadsu via photopin cc

話はこのあと、ピーター・メイル夫妻がムシュー・サンチェスからもらったキノコを食べて、そのスーパーでは絶対にありえない森の香りをたっぷりと含んだ濃密な味の美味しさにおどろいて、さっそくキノコの本と長靴を買ったという話が続くわけですが...。

日本でもひと昔まえは、秋といえば「キノコ狩り」ってけっこうやってたと思うんですが、毒キノコとかの事故があるとたびにニュースになったりとかで、どんどん減ってるんでしょうか?

確かに日本でもスーパーに行けば完全にクリーンな環境で生産されたキノコが安く手に入るけど、なんか森の匂いとか想像できないもんね。

この本の舞台、南仏プロバンスでは、オヤジどもが山の中を一日這いずりまわってとったきのこを、どっさりと薬局に持って行って拡げて薬剤師に毒キノコのチェックをしてもらうらしいです。このシステムなら安心してキノコ狩りも楽しめますね。

うーんしかし読んでるとたまらなく、プロヴァンスの豊かな森の中で育ったキノコ食べたくなります。





南仏プロヴァンスの12か月 (河出文庫)
ピーター メイル
河出書房新社
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台風のまえ by Takashi Koide

20120929@ちょび by GEROPPA
20120929@ちょび, a photo by GEROPPA on Flickr.
明日は四国地方は台風で荒れそうですね。

今朝はまだだいじょうぶかなと思って、散歩に出たとたん雨が降って来ました。
「雨だし、帰ろうか」と言うと、ヨモギの葉をクンクンと嗅ぎながら「もうちょっと」って粘ってます。

プレオープンに行ってきた。@日本料理澤田 by Takashi Koide

先日9月7日の金曜日の夜、うちでも何度かお世話になったのですが、出張料理人として茶道裏千家の茶事にて茶懐石を中心に活動していた知り合いの澤田さんが、この度自分のお店を開店することになり、そのプレオープンの食事会に行ってきました。
住宅街の一角にひっそりと落ち着いた雰囲気「一見」ではまず入る勇気ないよ。
場所は、今在家で久米から農免道路へ入って、サークルKの隣を入って「飯台」を抜けてまっすぐ行った突き当りの右角の平屋の建物です。


玄関を入るとお祝いの花でいっぱい。次々ととどいていました。
まずは「秋味」で乾杯のあと、料理を待ちます。
料理は全部の写真ではなくちゃんと撮れてたものだけ載せてます(すんません、後半酔っ払ってピンボケな件)

ウニが乗った胡麻豆腐

刺身 伊勢海老、イカ、鮑、真鯛の昆布〆
鮑はやわらかく、イカはもっちりねっとりです。伊勢海老もプリップリです。

焼物 鮭の幽庵、ホタテの酒盗(奥にちょっと見えてるの)
ここでスパークリングワインなども。

サーロインステーキ 表面はカリッと中は柔らかくてとろけそう。奥の薬味はミョウガです。
ここでお酒は赤ワインなど。

さらに日本酒、松山三井純米吟醸 キリッと冷えてたまりません。

切子のグラスがお酒の旨さを引き立ててますね〜。

大将の澤田さんがご挨拶に来てくれました。

鮭のご飯は、信じられないうまさ。なんじゃこりゃ。
全員がガツガツおかわりしてました。
最後は初秋を感じる果物で締め。
私は、出張料理で何度かいただいてるのですが、自宅という日常空間とはちがい、雰囲気や、おもてなし、器など、そういったものもすべて料理の味わいの要素ですから、やはり「お店でいただくほうが美味しいんだよな」ということを再確認したわけで、「外食バンザーーーイ、また来るからね!」と酔っぱらいは大満足して帰ったわけです。

正式なオープンは本日9月9日(日)で、来週からはお昼のランチ営業もはじめるとのことです。こちらも楽しみですね。本格的な茶室も備えていますので、希望の方には、お点前もできるコースの設定も検討中だそうです。

お店に行く際にはくれぐれも予約をお忘れなく。

私の方からお誘い差し上げた方への連絡に不行き届きがあり、大変失礼いたしましたことをお詫びします。


日本料理 澤田
住所 791-1106 松山市今在家2丁目2−12 
電話番号 089-968-2788
11:30-14:00
17:30-21:00
9月9日(日)   オープン


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EHIME FOOD STYLE 放送開始! by Takashi Koide

EHIME FOOD STYLE 放送開始!

FM放送とUSTREAMを融合した番組「 EHIME FOOD STYLE 」が9月1日から放送を開始しました。

AMSではUSTREAMとネットの映像関連の制作とプロモーションで参加しています。

放送はFM愛媛で毎週土曜日19:00~19:30
愛媛の食をテーマにフードライターの藤山健さんと、食材ジャーナリストの近藤路子さんが、毎回ゲストを迎えてのトーク番組です。




↓こちらは番組トレーラーです。↓



第1回放送のゲストは(株)マルブンの眞鍋明さんをお迎えし、一部FM愛媛のスタジオで収録しました。初回の収録ということで緊張しつつも、収録はバッチリ、期待と不安もありつつ(笑)でしたが、放送を聴いてみると、落ち着いたオトナな感じのイイ雰囲気が出てました。

USTREAMは、収録の模様をライブで配信する予定です。(アーカイブも該当のゲストが放送登場後順次アップします。)
次回収録(USTREAM放送)予定は9月6日の夜9:30頃の予定です。こちらもご期待下さい。
USTREAM EHIME FOOD STYLE


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